講談社BOOK倶楽部

講談社BOX:Powers

講談社BOX Everything is Boxed, KODANSHA BOX. OPEN NOW!!

第十八回“Powers”全小説講評

Dairly War

ミュータントと人類の対立というテーマはすでにX-MENなどで描かれているので何か+αがほしかった。「Silly Gang」の行動原理がよくわからないのも難点。

旧校舎第二保健室は、起業部(仮)が占拠しました

ディテールは具体的になったが、細かく説明し過ぎて冗長に。情報も「なるほど」と思わせるものが少ない。

僕たちに電波はいらない

読み心地がよく、リーダビリティ高いが、何も起こらなくても楽しいという域に達するにはキャラの魅力が少し不足しているかも。

血脈は語ル死ス

「末柳宣言」のアイディアがインパクトがあって面白く、朔と伊月のコンビも微笑ましかったのだが、ストーリー展開はそのインパクトに追いつかず力負けした印象。病院での謎解きも、物足りない。「末柳宣言」がもっと本筋のストーリー、全体のテーマと深く絡み合っていれば良かったのにと残念だった。

つぐもの

しっかりとした小説として読めるが、ネタが平凡で驚きがない。

DEADorMONSTER

人間とアンデッドの定義面白い。スピード感もあり、ノリよく読み進みました。葉一朗が安易に人間師になっているのが気になりました。

微少女掘り当てました

「微少女」との出会い方にも無理を感じたし、彼女の魅力がイマイチ伝わらない。もう少し会話の面白さがほしい。

MANA

文章力に難あり、原稿用紙の文字も読みにくい。また、登場人物の描き込みが浅い。まずは読書をしっかりしていただきたい。

生魑−いきすだま−

江戸の雰囲気が丁寧に描かれているが、その分読み難さにも。読者をいかに引き込むか意識して欲しい。

海の弾丸が飛んでいく

伏線きちんと張られていますが、1ネタ勝負にしては長尺。幸太は魅力的に書かれていましたが、女の子たちは書き分けを。

the Colours of the Hearts 心色

少女小説としての完成度は高いと感じたが、設定に際立ったものがなく、新しさに欠けていた。

月のまなざし

「神待ち少女」という題材は面白かったのだが、ラストに進むにつれて観念的になりすぎ、悪い意味でリアリティから乖離してしまった。文体の緊迫感にうまくマッチする、エンタメに適した題材を探してほしい。

民族学者雲井晴人のフィールドワーク『手習い歌の怪』

主人公であるはずの雲井のキャラクターが弱い。「ミステリー民俗学者八雲」シリーズなどを参考に、既存のシリーズを凌駕するぐらいの個性がほしい。

森家の書

戦国時代の歴史の片隅の話は良いと思うが、ただただお話が流れていく印象。もっと興味を引くエピソードと描き方がほしい。

千里眼と呼ばれた男

テーマはわかりますが、もう少し踏み込んで。千里眼と呼ばれた男に何が見えていたのか、物語の中での決着が必要です。

パンドラの遺伝子〜特別なあなたへ〜

ウィルス感染への恐怖感を感じられなかったため、その中で育まれる二人の感情に共感できなかった。登場人物に、読者の記憶に残るようなセリフを語らせてほしい。

しろくろ

書くべき要素と省くべき要素の見極めがうまくついておらず、展開がもたもたしているのがもったいない。また、死神というのはよくあるモチーフなので、自分なりの工夫をこらしてみて。

白鳥のように

導入部のだらだらとした会話に引っかかってしまい、物語にうまく乗ることができない。肝心のテーマや、舞台設定も作者の中でしっかり固められていないのではと思わせるところがあった。書きたいことをじっくり取材、整理してから書き始めたほうがいいと思います。

シュラカーン

小説として非常に丁寧に描かれているが、道具立てがやや古く、驚きや面白みに欠ける。

女王陛下のアンセム

世界観、キャラクター、ストーリーとどれも過不足なく楽しめるのですが、どこか既視感が。

僕とボーカロイドの逃避行

人格を持ったボーカロイドとの逃避行、という設定はワクワクさせたが、会話なども平板な印象で新しさが感じられず、残念。

終わりのように

筆致は丁寧だが、書き手が書きたいこと・書きたいことだけを書く、という段階にとどまっている印象。もっと読み手を意識してみてください。

チの祭壇

怪獣を撃退する側の人間ドラマをおもしろく描こうという気概は感じられた。しかし壮大な設定の割りには、肝心の怪獣との戦闘シーンが少ないのでエンタテインメントとしては弱い。

聖剣

読み易いが表現としての稚拙さが目立つ。違う世界を同時に描こうとした意欲は評価したい。

ART解放

独特の文体とキャラクターに魅力を感じるが、あまりにも何もわからないまま物語が進むので、ついていけない印象。

コノモンドコロ

文章は上手くて描写も活き活きしていたのだが、実際に本として出版することを考えるとモチーフがあまりに読者を選ぶため、難しい。この題材でこの分量は読ませられない。

魔界新撰組

新撰組をファンタジーの世界に移植しようという試みだが、うまく噛み合っていない。2つの世界に共通するものがあまりないので面白みが出ないのでしょう。もしこれをやりたいのであれば舞台設定やキャラクターなども含め、じっくり練り直すべき。

女子ロード!!

真面目に自転車レースを描くのはいいとして、興味のない人間に読ませる工夫が欲しい。

黒の女王

アリシアの家は思わず住みたくなるほど魅力的。文章もシンプルで読みやすく、キャラも立っていますが、児童文学?

駄目ージ9292%

「現実の女性が苦手な主人公」にリアリティを感じられず、その後のドタバタにもついていけなかった。もう少し現実的な主人公だったらよかったかも。

死者を思う

主人公の視点と三人称視点が混在する構成が分かりづらい。また、主人公が出会う人々や事件への解決も、浅く無理がある。あの言葉では、ミリーは改心しないと感じた。

上海クレオール

テンポのよい文体で楽しめたが、あまりにも多くの要素を詰め込みすぎて、消化不良を起こしている。書きたいことを厳選してシンプルな物語にしてみては。

俺の背中に続け

まえがきの段階で作者の腰が引けている。ヒーローという存在についての掘り下げも甘い。ただ好きなだけになってしまっている。

女子大生と宇宙崩壊の恒等式

講義部分、非常に興味深く読みましたが、ボリュームが大きく、オリジナルストーリー部分の印象がうすいのが残念です。

黒色物語

丁寧に書けているのだが、ストーリーはよくあるもので、キャラクターの魅力も不足。何か著者の個性を感じさせるものがほしい。

凪転び野起き

「野内者」の設定は興味を惹かれたけど、動物の特性について活用しきれていないし。事件のスケールも小さく解決もあっさりしすぎていた。この内容でこの分量は必要ないのでは。

グレイグー

人類滅亡後の世界を描いたものだが、厳しい内容の割りに軽いユーモアが入ったほのぼのとした文体が、この内容にはあっていない。

騎馬戦むすめ

荒唐無稽な設定は面白いが、固い文体にあっていない。

管吹物語

主人公の行動を逐一描写する必要はありません。梗概はよくまとまっているのに本編はテンポがすべて同じで平板な印象に。

普門館との約束

吹奏楽部もの青春小説なのだが、登場人物が偏差値や校則、キャリアにこだわり過ぎているようで、爽やかさを感じることができなかった。

人狼口碑−カーズクローク・オブ・リカントロープ−

日常パートが長過ぎて展開が遅い。妹と主人公の緊張感がありつつも互いを思いあっているという関係性は、丁寧で良かったのだが、全体のバランスが悪かった。

混沌の世界と厨二病ワンダーランド

中二病と、主人公が旅する混沌の世界とのつながりがうまくいっていない。ストーリー的にもかなり盛り上がりにかけるのが難。

女海賊と時空の宝

設定は読者受けしそうだが、ご都合主義的展開が気になる。

クライクライクライ

拷問シーンを描写したいのか、殺人事件を解くミステリ部分を書きたいのかどっちつかずでは? 文章は読みやすく、きちんと推敲されており、好感を持ちました。クロニカのキャラ、興味深く感じました。

壊れた僕らはそれでも

文章全体に暗さというか、寂しさがあって、それはいいのだが、物語としては平板でドキドキさせる要素が足りない印象。

この上なく残酷で、けれど思っていたよりも悪くない

文章・キャラクターともに華があって良いのだが、さすがに設定詰め込み過ぎ。もうちょっと要素を絞り、物語自体のストレートなおもしろさで勝負する作品が書けたら、また読みたい。

The Alice's of Cradle 水の国 桎梏の少女

妖精を主人公としたファンタジー。全体的にこじんまりとまとまっている印象。次は現実世界を舞台に人間ドラマに挑戦してみては。

ふることふみ異聞

日本書紀ベースのファンタジーだが、現代の読者に読ませるにはキャラ立ちもネタも足りない。

母宮

とってもいい話でした。前半はクリムとサーナのギルドをめぐる恋の物語でしたが、終盤、政変がらみとなり、話の中心がブレた感が。

ビブリオテカ戦記

少し古臭い感じはあるけれど、キャラや会話におもしろさはあったので、戦闘描写などでSF戦記的な、リアルな雰囲気があれば完成度が上がったはず。彼らが戦争する理由には最後まで納得できず。

忘却の彼方

丁寧に書かれていて読みやすいが、既存の作品を決定的に超えているなにか、個性、に乏しくて推せなかった。

それ行け!メイドレス・スリー

お約束の展開満載でいろいろ既視感が気になるストーリー。文章力はあると思うので、オリジナリティを意識した物語作りをしていただきたい。

純白に響き

楽器視点の物語。丁寧に描かれているが、なぜこの視点を選択したのか伝わってこなかった。

悪魔は孤独に口を紡ぐ

雰囲気あるし、ネーミングのセンスも感じますが、導入部が重く読みにくい。ローラントショックの重要性、早期に記述しては?

Ghost Love

読みやすいのだが、「幽霊との恋」といった類の話は多いので、作者の個性を感じさせる何かがほしい。

クリスティーヌ物語〜大英雄に愛された女神〜

この分量を書ける、ということはすごいことだと思いますが、重厚すぎるのは難点。もう少し気軽に読める方が読者を狭めません。また、レイアウトが非常に読みづらいので、ワードソフトの使い方などを勉強されたほうが良いと思います。

MEKAGO

外の世界であるエデンの情報は小出しにして興味を煽った方がいいと思いました。学校の中で具体的にどんな勉強をしているのかが描かれていないのも×。筆力、構成力などはあるのでまた投稿いただきたいです。

お騒がせタイヤキ・トリッパー

リーダビリティは高いのですが、キャラクターが皆幼く、精神的な深みに欠けすぎているのが気になりました。ジュヴナイルとしては長尺すぎるかも。

CICHEE’S OVER

ヤクザ対異能者という設定は意外だったし、痛快さがあった。もう少しヤクザにリアリティがあり、その怖さ、しぶとさみたいなものを感じさせてくれたら……惜しい。

九十九屋敷の訪客帳

人情味あふれる世界観を丁寧に描こうとしているところに好感をもったが、人物の心の動きに一足飛びなところが多く、たとえば野田老人のためらいにしても、主人公が「直感した」で話が進むが、その根拠が示されておらずご都合主義的だった。

この海に声はなく

主人公たちの会話が他愛無すぎです。もっと会話で物語を先に進めることを意識していただきたいです。 祈声という異能にも異能にももっとひねりが必要ですね。

血塗られた果実〜令嬢誕生会連続殺人事件〜

『うみねこのなく頃に』を意識したと思われ、文体に勢いもあり好感をもった。だが、トリックが大味で論理展開の雑さが最後まで気になる。勢いで押し切るか、論理の精度を上げるか。

神になった男

教団がなぜそんなに巨大な力を有しているのか説得力ある説明がほしいです。設定部分もう少し丁寧に。

回り道

若者の無意味な旅、という設定は好きだが、成功させるには会話のおもしろさが必要だと感じた。彼らの商売やキャラクターに無理があったと思う。

天魔の所在

世界観があいまいで、斬新な要素も少なかった。ネイリのキャラクターもちょっとおじさんくさくて残念。

生焼きの天神さま 祟り風味、恋と友情のマーブルクッキー

ホラーテイストの小説にしては、主人公を怯えさせるエピソードが足りない。犯人の正体にも意外性がなく、予定調和のラストでした。どんでん返しがほしかったですね。

BABY LUCK

異能の設定の詰めが甘い。海外ドラマが好きなのだと思うが、読者を選んでしまいそう。

御意見無用の御手並拝見

天才たちがそれぞれ変人でありながら品をぎりぎり失っていないことに好感もちました。万葉パートの影がうすいです。

アリスの国の不思議

夢の中の出来事のように思えてしまって、「死」やそれをめぐる登場人物の感情が胸に迫ってこない。ファンタジー世界の設定に、何か現実的なものを取り入れてほしい。

仇色の花

視点が入れ替わって順番に人物が増えていく構成を、うまく処理しきれておらず、読み手にストレスを与えてしまっているのがもったいない。もう一つの応募作のほうが、断然面白かったです。

水を以って攻めを佐くるもの

中国歴史活劇がお好きなのでしょうが、今なぜこの話を書きたいのかを考えて題材を選んでいただきたいです。現代日本ものにもチャレンジしてみては。

ガラスの魔剣使い

読み難い。しかもどこかで見たようなファンタジー。読ませる工夫をもっと。

カタストロフな君と僕

軽快な会話、スピーディーな展開で楽しめるが、春人の大切な人が2人いるため長尺になりすぎた気が。メインストーリーを決めましょう。

Bloody bloody bloody

施設で育った主人公の内面や母親のキャラ造形にリアルなものを感じていたのだが、主人公の義父への激しい思いに感情移入できなかった。

けけけ

キャラや展開が派手で分かりやすいのは良いところだが、文章がこなれていなくて読みづらい。語意の取り違えも散見されるので、もっとたくさん読んで書いていってほしい。

因が消失パラレルワールド

異なる3つのパラレルワールドを旅するというのはなかなかおもしろい試みだと思う。ただ、主人公のキャラクターが地味であまり応援したくなるタイプではないのが残念でした。

我が輩は蛇である

それなりに読ませる。だが、よくある怪異モノの域を出ていない。

無世界の王

異世界に入るきっかけにも、異世界の設定にも、どこかで見たことがあるような印象だったのが残念。

Appledog

めまぐるしく変わる無機物の視点の中に人物のセリフだけが落ちて、あるいは浮かんでいくような実験的な文体は、ある種の効果を発揮することに成功していた。ただもはやどちらかと言えば詩に近く、この文体でこの分量、しかもSFを読者に読ませるのは至難。少なくともエンタメでは不向き。ストーリーが頭に入ってきづらい。

サイコキネシスセールスマン

オムニバス形式にしたのはよい判断だと思いますが、超能力の使い方がややありきたりで全般的に地味。ちょっと長くて中盤がダレていますので、エピソードを減らしてコンパクトにしたほうがよかったです。

炭酸少年

小説としてかなりしっかり書けていると思う。ただ、携帯小説的な「ありがちさ」から、どうやって一線を画すか、そこが問題。

猫と主

書きたいテーマははっきり伝わってきますが、構成が断片的なので、ストーリーのつながりがわかりにいです。

ランナウェイ!〜逃亡者〜

一人称で語られる物語なのだが、主人公と一緒に冒険している感じとか、主人公になりたいという気持ちが湧いてこなかった。キャラや設定が類型的すぎるのかも。

死ニバショDetector

事件現場に土足で踏み込んでしまうなどリアリティが無かったり、推理が飛躍しすぎているなど指摘すべき粗がいくつもあったが、登場人物は魅力的で良かった。主人公はもちろん、偉狩と舞代のコンビはいいキャラクターで、この2人の探偵モノをまた読んでみたい。

青い糸

前世の因縁が現代につながっている話だが、やや古い。前世と現代の話をもっとシンクロさせるべき。

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混物語

掟上今日子の乗車券

うみねこのなく頃に散

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