講談社BOX:空想東京百景

講談社BOX Everything is Boxed, KODANSHA BOX. OPEN NOW!!

『空想東京百景〈V3〉殺し屋たちの墓標』「この拳銃が、オレと二人の女の渡航許可証だ!」

『空想東京百景〈V3〉殺し屋たちの墓標』

〈呪詛爆弾〉投下によって改変された戦後─。
昭和三十年代の平行世界〈東京〉で殺し合う〈異能者〉たちの末路!

暗黒の魔窟に囚われた〈灼熱獄炎ノ魔銃〉の殺し屋・蓬莱樹一郎に襲いかかる、妖しげな〈怪異〉の罠!
奇妙で幸福な〈殺し屋たちの休暇〉はあっけなく終わり、彼が歩いた〈道(タオ)〉は〈殺し屋たちの墓標〉で彩られていく。
すべては殺人序列者〈No.1〉の計算通りか? それとも、呪われた〈魔銃遣い〉自身の運命か?
─妖艶の魔女もまた、熱い鉛にのたうって死んだ!

空想東京百景〈V3〉
殺し屋たちの墓標

著:ゆずはらとしゆき
Illustration:toi8
定価:本体1800円(税別)

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『空想東京百景』「嘘と本当なんて紙一重の裏表よ」近頃のライトノベルは侮れない、とは聞いていたけれど、「ゆずはらとしゆき」という人はそれをとんでもない分野に化けさせようとしているようだ。─ 安彦良和

『空想東京百景』

殺人序列者が殺しの技を競う〈組織〉で暗殺任務に失敗した〈魔銃遣い〉蓬萊樹一郎に処刑の指令が下った。運命の分岐点に立つ彼の前に訪れたつかの間の休息、奇妙な〈殺し屋たちの休暇〉─。
暗黒の魔窟に囚われた〈灼熱獄炎ノ魔銃〉の殺し屋・蓬萊の運命を操るのは、魅惑の美少女か? 妖艶の魔女か?

空想東京百景〈V2〉
殺し屋たちの休暇

著:ゆずはらとしゆき
Illustration:toi8
定価:本体1700円(税別)

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ゆずはらとしゆきさんコメント

こんばんは、ゆずはらとしゆきです。
前作『空想東京百景』を知っている方には七年ぶりの新作になります、講談社BOXの"ミスター牢名主"です。
その間、日日日(あきら)さんの〈日日日×千葉サドル〉シリーズ(http://kodansha-box.jp/topics/hhh/)の企画編集をやっていましたので、仕事はしていたのですが、七年もブランク空けて続編が出るなんて、お釈迦様でも思うめぇよ。

それはそれとして、今回の新刊は『〈V2〉殺し屋たちの休暇』『〈V3〉殺し屋たちの墓標』連続刊行に加え、一迅社さんでtoi8さんの漫画版『空想東京百景〈異聞〉Strange report』まで出るという大盤振る舞い!
七年間、溜めに溜めたコンテンツを一気に装弾/発射するという、なんというぶっかけカーニバル!
前作がテーブルトークRPGのスターターキットだとすれば、今作はその応用編/リプレイですが、単体でもたっぷり楽しめるよう、豪華オールスター&美女マシマシの娯楽大作に仕上げましたので、最後の一滴までよろしくお願いいたします!

toi8さんコメント

前巻に続いて〈V2〉〈V3〉の挿絵を担当させていただいたtoi8と申します。
前回の分厚い本が出てから7年、使用しているツールも変わり、鉛筆で線画を描くこともなくなり、延々とPCモニタとだけにらめっこするような作画環境になってしまいましたが空想の〈東京〉だけは、昔と変わらず頭のなかにあるのです。また、〈V2〉〈V3〉に続いて、漫画版『空想東京百景〈異聞〉Strange report』が、一迅社さんから発売されます。あわせてよろしくお願いします!

担当者コメント

あの奇書が帰ってきた!
2008年、講談社BOXに現れた奇妙な箱<BOX>……。その中に詰め込まれていたのは、もう一つの昭和三十年代の<東京>を幻写する<奇書>にして<暗号>でした。読む人々を驚嘆の渦に巻き込んだ、あの世界が、パワーアップして再誕! toi8さんの美麗なイラストとともに綴られる、パンドラの箱を、是非、開けてみてください。
また、toi8さんの手による、漫画版『空想東京百景〈異聞〉Strange report』はREX COMICS(一迅社)より、2015年4月27日発売です!

登場人物

〈No.6〉蓬萊樹一郎
〈No.6〉蓬萊樹一郎

昭和三十五年から三十七年八月まで〈組織〉に所属していた殺人序列者で、三白眼の〈魔銃遣い/ガンスリンガー〉。殺人序列第六位が長かったことから〈No.6〉と呼ばれていた。魔銃はモーゼルM712型の〈灼熱獄炎ノ魔銃〉で、灼熱獄炎の魔弾は着弾と同時に自動発火し、すべてを焼き尽くす。水平薙ぎ撃ちを応用した〈焼畑農業/バーニング・ファーム〉という技も得意としている。殺人序列者は魔銃の名前で登録されるので、番付表では〈灼熱獄炎ノ魔銃〉で記されているが、本人は「蓬萊樹一郎」を名乗っている。しかし、これも偽名に過ぎず、「本物」の蓬萊樹一郎は〈旧十五区封鎖〉期に汐留の新爆スラムに住んでいた異能者の侠客である。「本物」は封鎖解除後に〈東京〉を離れ、〈温泉上人〉の名で日本中の温泉を巡っているが、「偽物」は様々な要因で〈東京〉を遠く離れることができないので、二人が顔を合わせたことはない。

〈No.2〉莉流(リル)
〈No.2〉莉流(リル)

昭和三十七年八月まで〈組織〉に所属していた殺人序列者で、第二位が長かったことから〈No.2〉と呼ばれていた。魔銃は左右二丁の22口径レミントン・ダブルデリンジャー型で、番付表には〈女郎蜘蛛ノ魔銃/ヒューリーズム〉の名で記されていた。長い赤毛を二つ結い/ツインテールにした少女で、全裸に黒いポンチョとガンベルトだけを装備した異様な装いであったと言われている。
魔銃の射程はどちらも短いが、仕事の成功率は極めて高い。右の魔銃から放つ魔弾は高濃度の呪詛毒が含まれており、撃ち込んだ相手の肉体を神経毒で支配し、ゆっくりと嬲り殺しにする。左の魔銃からは魔弾の代わりに〈女郎蜘蛛の足/スパイダーレッグ〉の高速射出と収納を繰り返す。銃口から飛び出した金属の節足は自由自在に高速駆動し、有効範囲に入った一瞬で銃弾も相手の心臓も的確に刺し抜く「攻防一体」の武器である。

人造人間<翠(すい)>
人造人間<翠(すい)>

戦前、ポール・ベルンシュタイン博士によってナチス・ドイツの〈古代遺産協会/アーネンエルベ〉に持ち込まれた奇怪な魔術的科学で開発された人造人間/ホムンクルスは、昭和三十五年頃から愛玩用として少数が地下市場で流通していたが、〈殺し屋の墓場〉で軟禁中の蓬萊のもとへ放り込まれた人造人間〈翠〉は、魔銃具現化能力を付与された「試作品少女」で、昭和三十七年七月の番付表にも殺人序列第九位──〈No.9〉として記載されていた。
犬耳に犬の尻尾を持つ歳相応の幼女でありながら、〈No.6〉蓬萊樹一郎を狙う役割を与えられていたが、肝心の魔銃〈複製試作ノ魔銃〉は「おもちゃの銀玉鉄砲」で、戦闘能力も皆無であった。

〈No.6〉新條
〈No.6〉新條

かつては「新條」と呼ばれていた〈魔銃遣い〉。元々は赤坂界隈の愚連隊上がりのヤクザ組織〈彼岸島一家〉に所属していたが、府中刑務所での収監中に〈底なしの底〉を覗き込んだことから〈組織〉にスカウトされ、不在の蓬莱に代わって殺人序列第六位の座に就いた。
収監前に知り合った少女への妄執から、彼女が殺された過去の瞬間を覗き込むべく、昭和三十九年九月、旧知の矢ノ浦小鳩の許を訪れる。〈すりかえ現象〉に伴う時間の混乱を利用し、記憶だけを時間転移する術を会得したが、記憶伝達や転移先の知覚センサーが不完全だったため、少女を殺した〈魔銃遣い〉を正しく認識することはできなかった。
魔銃〈刹那追憶ノ魔銃/ペイルフラワー〉は狙撃銃型で、モーゼルkar98kをベースとしている。「乾いた花」の異名を持つ魔銃は〈女郎蜘蛛ノ魔銃〉に近い特性を有しており、死の間際に呪詛毒で走馬燈の如き幻覚を見せる/刹那追憶の作用がある。もっとも、狙撃銃でありながら変則的な螺旋を描く弾道の癖も含め、魔銃の特性は殺し屋の技に貢献していないどころか、むしろ妨げになっている。〈異能なき子供たち〉でありながら〈旧十五区封鎖〉を生き抜いた名狙撃手──新條自身の腕の良さが、殺人序列第六位という結果となっている。

〈No.1〉
〈No.1〉

戦後の混乱期、〈東京〉に殺し屋ギルド──〈組織〉を創設した凄腕の殺し屋で〈夢幻螺旋ノ魔銃〉、または〈No.1〉と呼ばれる。
形状不明の魔銃は相手を幻覚状態に陥れ、精神支配・記憶改変などを行うが、直接的な殺人を行うことは稀で、むしろ、暗殺用の操り人形を作り出すことにその真価を発揮する。操り人形として選ばれるのは、性交未経験の若い男性が多く、人形の大半は殺人行動の直後に自殺するか、発狂している。その手口から、昭和三十五年十月の浅沼稲次郎暗殺事件への関与を噂されている。
戦後の混乱期に〈組織〉を創立し、常にランキングの頂点に存在している〈夢幻螺旋ノ魔銃〉だが、最古の記録である関東軍の内部機密文書では「伝聞に過ぎないが」と断った上で、「神仙捕獲を依頼した特務機関工作員──〈大連五星隊〉を率いていたのは、長い銀髪に左右非対称/オッドアイの若い女であったが、〈夢幻螺旋ノ魔銃〉なる摩訶不思議な武具を操り、見事、最上級の神仙〈蓮音〉捕獲に成功した」と記されている。
実際にその姿を見た者は稀だが、以後、約二十年間の記録がすべて銀髪の若い女の姿で記されているため、「〈夢幻螺旋ノ魔銃〉は先天的異能者/神仙で、彼女が所属していた特務機関が〈組織〉の母体となった」という説が有力となっている。また、操り人形に自ら創り出した人造人間を用いることもあり、「魂魄そのものを操る魔銃」という説もある。

矢ノ浦小鳩
矢ノ浦小鳩

『空想東京百景』シリーズの主人公にして、物語の狂言廻し。新橋駅近くの古い焼けビルの二階にある〈矢ノ浦探偵事務所〉の二代目所長を務め、「矢ノ浦小鳩」を名乗っている少年……もとい、可憐な少女探偵。短い黒髪にハンチング・ベレーを被り、未成熟でスレンダーな肢体とはいえ、大半の人々は澄んだ囁き声/ウィスパーボイスで女性と気づくのだが、どういうわけか、「ごく一部の若い男性」はなかなか気づかない。身体能力は常人並だが、〈幻の本土決戦兵器〉と呼ばれる漆黒の巨大ロボット〈鴉〉、「この世ならざるもの」を見透かす〈異界眼鏡〉、「何処かの誰かの羽根」を埋め込んだ〈硝子のナイフ〉など、太古の神仙たちが用いていた〈宝貝〉の技術を応用した探偵道具を駆使し、平行世界〈東京〉に顕現する〈怪異〉を次々と解決している。愛車はベスパ125の改造品〈流星号〉で、昭和三十年代後半の時点で既に時代遅れの車種だが、〈博士〉が魔術的改造を施しており、機体性能を無視した異様な速度が出る。
本人は昭和二十年八月、満州国新京生まれと自称しているが、本当の年齢は不明。所長に就任する以前は、初代所長である〈矢ノ浦太郎字〉の助手を務めていたので、かれこれ十年以上は「可憐な少女探偵」である。また、〈すりかえ現象〉で生じた虚構空間など、異界との境界線上では「髪の長い天使のような姿」で見えることもある。
彼女が〈東京〉に現れたのは、〈旧十五区封鎖〉解除後の昭和二十二年である。本人も「〈東京〉へ流れ着くまでの数年間は、八路軍やら人民義勇軍やらの目を盗みつつ、大陸を彷徨っていた」と語っているため、新爆投下による「後天性異能者」ではない。その一方で、戦時中、大陸で捕獲された神仙〈蓮音〉を〈甲・乙・丙〉に三分割した魂魄物質〈丙〉型を所有しており、〈丙〉の神通力で〈宝貝〉を駆動させている。

朱雀
朱雀

本書に登場するのは、赤毛に隻眼、海賊風の派手な外見の〈国際ギャング団〉女頭領ではなく、もう一人の〈朱雀〉──変身前の朱雀である。こちらは枯れた銀髪を腰まで伸ばし、常に穏やかな表情の三十路美人だが、集団暴行で失われた左眼は常に髪で隠している。戦災孤児の身の上で、戦後は街娼として都内各地の新爆スラムを転々としていたが、昭和二十三年、〈蠅の街〉へ流れてきた。集団暴行で眼球と性器を潰されていた彼女は、闇病院〈イレブン〉の手で肉体を改造され、異常性欲者用の特殊娼婦となった。
昭和二十七年四月、日本を離れる直前の〈Z機関〉から襲撃を受けた〈イレブン〉が壊滅し、代わりに〈蝿の街〉へやってきた〈将軍〉が特殊娼婦たちのメンテナンスを任じていたが、昭和三十三年の売春防止法施行以降、〈将軍〉の秘書兼愛人となった朱雀は〈蝿の街〉の有力者へ成り上がっていく。古道具屋を表の稼業とし、犯罪者や殺し屋たちに魔力付与/エンチャントした武具、暗器の類を調達する闇ブローカーの顔も持っているが、昭和三十八年八月十日に発生した〈将軍〉暗殺事件以降は〈蠅の街〉を離れ、流しの古道具屋となっている。なお、赤毛の〈朱雀〉はグラマーな巨乳だが、銀髪の朱雀はスレンダーな体型である。

将軍
将軍

毅然とした態度と風格から〈蠅の街〉の住人たちに〈将軍〉と呼ばれ、街の実力者として君臨していた老人。「小犬丸」という名字を持っていたが、特殊な記憶素子を用いて、過去の記憶の一部を封じていた。
元々は帝国陸軍〈桜会〉系の軍医だったが、魔術的科学と仙術の研究に携わる。配下の研究員たちは畏怖の念を込めて〈将軍〉と呼んでいた。〈河豚計画〉では安江仙弘陸軍大佐と共にポール・ベルンシュタイン博士を招き、戦時中は関東軍の軍属として行動し、兵器人間/ウェポノイド開発、神仙〈蓮音〉捕獲などの特殊任務に就いていたが、予言機械〈鉛の卵〉と遭遇し、昭和二十年八月のソ連参戦を事前に知る。一足先に息子夫婦と孫を帰国させたが、逆にそのことが仇となり、彼らは新型爆弾投下で塩の柱と化した。

「講談社BOX」レーベル発足以来、最大級の“奇書”がここに 出幻する!

表紙 『空想東京百景』
著者:ゆずはらとしゆき

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『空想東京百景』体験版、特別公開中!
業界内、絶賛の嵐!小池一夫氏、安彦良和氏、化野燐氏、箸井地図氏、竹氏よりコメントが届きました!
小池一夫  リアリティある虚構を構築するために、作者は随所に確かな知識をこの作品に盛り込み、もう一つの東京を創り上げている。
 今まで読んだことのない物語なのだが、どこかで出会った気がする。ふと思い出した。私の学生時代、昭和30年代の東京。
 私が多く「江戸」を舞台に書いたように、彼は、昭和の「東京」でそれをやってのけている。虚と実の、絶妙のバランス感覚で。
じつに面白い!! 大拍手を送る!
安彦良和  これはいったいどういうものなのだろう。
近頃のライトノベルは侮れない、とは聞いていたけれど、「ゆずはらとしゆき」という人はそれをとんでもない分野に化けさせようとしているようだ。
 ちなみに一九六〇年は親父が卒中で斃(たお)れた年で、だから僕の子供時代は三十年代と同義で終了した。
 この作品のメインの時代設定、昭和三十八年には僕は高1で、『高校三年生』のメロディをバックに文化祭でフォークダンスを踊っていた。これらの年に戦前という時代と昭和二十年とを重ね合わせて仮構した妖しい年輪に、「天才ゆずはら」は何を語らせたいのか。「偽史」も「架空年代記」も今は流行りのようだが、これを読むと次のことだけは言える。
「半端なものは、これからはもうやめたほうがいい」。
 あと、toi8さんのイラストもすばらしい。時代、なのか。同じ絵描きとして、僕はかなりツラい。
化野燐 幻視者たちが放った呪的な爆弾。
言葉(テキスト)が細部を生み、
風景(イラスト)が空気を宿し、
グラウンド・ゼロからたちあがるのは、いかがわしくも懐かしい逢魔の都。

どうして? と、ぼくは自問する。何時から、こちら側にいるのだろう。
虚構が現実と交合うあの都にこそ、ぼくらは、生まれていたはずなのに。

サァ、還ロウ。皆、ツヅケ。
アノ反世界ヘ、越境セヨ!
箸井地図 はっきり言って凄いです。
凄い、以外の言葉がでてきません。
見ないと損ですよ!!
竹 ゆずはらさんの昭和世界とtoi8さんの透明感のある色は万華鏡を覗きこんでいるような心地よさでした。
<01>かわいいです!